お金を払ってくれない

（２）お金を払ってくれない人達

医院には色んな患者さんが来ますが、時には困った人が居ます。

保険証が切れているのを故意に隠して古い保険証で受診する人、名前を名乗らずに電話で病状を訴えて意見を聞こうとする人、こちらの話を全然聞かずに自分の訴えと考えと述べ続ける人など。
料金を支払ってくれない人たちもその中のひとつです。

開業医をしてると、色んな意味で患者さんとの距離感が近いので、良い面も悪い面も見えてしまうし、お金が無いと言う人に対して、こちらからなかなかきつく出れないし、かと言ってそんな人ばかりになると困るし、いろいろと考えさせられます。

多くの場合、もうじきお金が入るので、今度持ってくるからと言ったのにそのままになってしまう患者さんが多い。普通は電話したり、督促状を送ったりします。それでも多くは支払って貰えないのですが、まあそういう患者さんとは、おつき合いもそれっきりになることが多いので、仕方ないかと諦めてしまうことも多いです。しかし、身なりもふつうで、携帯も持ってるし、なんでこれでお金がないのかよくわからん・・って人達も居ますね。

まあ、保険証があると患者負担分がとれなくても、保険の７割が入ってくるなら良いかと思うけど、中には保険がなくて、全額自費なのに結局未払いになる人も居ます。そうなると病院は全くの持ち出しになってしまいます。

何年か前、夜中にお腹が痛いという人が来て、保険もないので自費になりますが・・というとそれで良いと言う。診察して、超音波して、重症の膵炎が疑われたので県立病院に即紹介。うちの料金だって１万円くらいになったけど、県立病院でも夜中に行くとすぐ精算が出来なくて、１万円を預かられると聞いていたので、それじゃあ困るだろうと「うちの支払いは後で良いから」と言うと、退院してからもそれっきり。近所に住んでるんだけど督促状だしても音沙汰なしでした。（県立病院の方も踏み倒したらしい）

まあ、１回きりならまだ許せるのですが、確信犯的に何度も繰り返す人も中には居ます。
当院にも、１－２年に１度くらいしか受診はしませんが、必ず事前に電話をかけてきて、「今お金がないけれど、数日後には入金できるので診て貰えないか」と相談され、患者さんが子供の事もあって、承諾すると、結局そのまま支払って貰えないという家族が居ます。
今までは、まだ国保があったので支払ってもらえなくても７割入ってきていたのですが、先日は「今保険は書き換え中」（おそらく差し止められている？）との事で、「それでは全額自費になります」と言うと、「３日後には持ってくるから」とのいつも通りの答え。しかも患者さんは４０度の熱が出ている１２才の子供（インフルエンザ）で、電話をかけてきたのは、その妹の小学生の子供なのです。で、受診も患者の子供とその妹、弟が付き添いで来て「親は親は来れない」と言うし、電話もないので、連絡のとりようがない。
結局今回も支払いに来なかったです。どうしてもお金が無いから、待ってください・・って言いに来てくれたらこちらだって悪い気はしないけど、病院なので診療拒否も出来ないだろうから・・って態度が見え見えなので腹が立ちます。

大体、スーパーマーケットで「お金がない」なんて言って、そのまま「じゃあ、今度お金が出来たら」なんて貸し売りをしてくれるだろうか？ラーメン屋だったら無銭飲食で突き出されるところですよね。
病気だから特別・・って思うのは、こちらが仕方ないなあと思っても、相手の方にそう思って欲しくないですね。

こちらも、生活してる訳だし、人間としてのつきあいがあるわけなので、お金無いので、申し訳ないけど・・って態度をみせてくれるだけで違うんですけどね。
そんな人たちも居れば、夜中に診察しただけなのに、翌日にケーキを持ってお礼に来る人もいるし（夜中はそれだけ高い診察料をもらってるから、そんなに気を遣わなくても良いのに・・）まあ、患者さんも色々です。
素敵な患者さんとの出会いで救われていることが多いですね。
人とのつきあいが楽しくなければこの仕事はやっていけません。

しかし・・愚痴る場所が出来て良かったなあ（笑）。